しびれっぱなしだな

ほんそれ。しびれっぱなし。

 

ずっと気づかなかった。

 

とっくにもう、おれしびれていた。

 

それだけじゃない。

 

もうとっくに大切なものと出会っていた。

 

『十代の頃から好きな音楽』って言い方だとフツーなんだけど、

 

それってそれもう充分に奇跡だよ。

 

運命の出会いだった。

 

 

 

ああ、知っていたし気づいていたはずだし、

 

なのになんであらためてじわじわしちゃうんだろう。

 

螺旋階段のようにグルグルまわっているから、

 

上へ行こうが下へ行こうが、

 

景色が同じで感覚が異なる。

 

懐かしいも新しいもコインの裏表。

 

おんなじ。

 

 

もどかしさを感じながら、

 

景色を楽しもう。

 

階段数えていたこともあるし、

 

そんなときがあってもいいし、

 

じゃあ今は。

 

今は。

 

勢いで登れる。

 

二段とびもできそ。

 

安全のために一段一段にする。

 

足元を見なくても、

 

どこがステップかわかるんだ。

 

ほら景色景色いい景色いい眺め。

 

で。風が強いかな。

 

 

陽射し眩しすぎて手をかざしたこともあったっけ。

 

曇天もいいな。自由自在に進んでいけちゃう。

 

螺旋階段グルグル。

 

ケルトン仕様で建築された螺旋階段は、

 

どんなに登っても高層階とは限らない。

 

いつのまにかずいぶん下の階だったことがあるし、

 

地底湖と浮島との空間だったこともあった。

 

 

正確に語ろうとすればするほど意味不明になっちゃうんだから、

 

ありのままっつか感じるまま、

 

うん。やっぱり。そうだ。

 

ビートが続いてる。

 

あの日のギターは永遠の残響。

 

ディレイかけすぎ、コーラス濃すぎ、ディストーション踏んで踏んで踏んで、

 

エフェクター切り替えてばかり。

 

やりたいこと。

 

好きなこと。

 

もうとっくに出会っていた。

 

おれ、しびれっぱなし。